町工場からお届けする鋳物ギア

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製品開発の経緯

私は三重県桑名市で、鋳物の町工場を営んでおります。

鋳物のまちとしても知られる桑名市には、鋳物製造に関連する数多くの町工場が点在していますが、様々な理由により、廃業に追い込まれる工場が後を絶たない状況です。

当社の売上のほとんどは、メーカー様からの受託業務、下請け業によるものです。

どのような業種でもSNSをはじめとする発信が必要不可欠な世の中ですが、我々はメーカー様からの仕事を請け負わせていただいている立場上、そのようなことは困難です。

そこで、たくさんの方に鋳物の良さを知っていただくために、自社製品を作り出し、発信していくこととなりました。

生き残りをかけて開発した「IMONO PLATE」

結論です。鋳物でアウトドア用の調理器具を作りました。

その名も「IMONO PLATE」(イモノプレート)。

IMONO PLATE

製品の主なポイントとしては、

  • 厚さ8mmの極厚仕様で、分厚い食材もお店のように焼ける
  • 網と鉄板の2面一体構造で、調理方法の使い分けが可能

実際に製品を使用した様子を1分程度の動画にまとめました。

IMONO PLATE 使用動画

なぜ美味しく焼けるのか?

IMONO PLATEで食材を美味しく焼けるのにはもちろん理由があります。

  • 極厚仕様の為、蓄熱製が高く食材の内部に熱が伝わりやすい
  • 表面がザラザラしているので食材と鉄板がくっつきにくい
  • 網目部分で直火調理も可能、余分な脂も落とすことが可能

分厚いステーキ肉を焼いたときに、外側は焼けているのに中は全然焼けていなかった、ということはありがちな事です。

一般的な鉄板やフライパンの厚みは3mmから5mm程度。薄いフライパンは確かに軽くて使い勝手が良いのですが、厚みのあるステーキ肉をのせるとフライパンの温度が奪われ、表面のみが焼けた状態になりやすいです。中まで火を通すほど加熱すると、焦げやすくなります。

一方IMONO PLATEの厚みは8mm。一度温められた鉄板は食材をのせても熱が奪われにくく、一定の火力のままでも適温を維持します。直火ではなく鉄板が放出する熱で焼くことにより、食材全体に均一に熱が伝わり、ステーキ肉の中まで火が通りやすくなります。

実際にIMONO PLATEで調理したステーキ肉

加えて、鋳物製品は普通の鉄板と違い表面に砂粒程度の細かい凹凸があります。これは鋳物の製造工程上できるものですが、これには食材と鉄板がくっつきにくくなる効果があります。

鉄鋳物で厚みが8mm、サイズが20×36cm、4.5kgという持ち運びにはあまり便利ではない重量ですが、食材をより美味しく焼くことには特化した製品です。

鋳物特有の質感と、極厚鉄板の蓄熱性が美味しく焼けるポイントです

ご利用シーン

当製品はアウトドア向けです。屋外でお店級の鉄板調理をしていただくことができます。

キャンプや仲間とのバーベキューにプラスしていただくことで、いつもより少しだけ本格的な調理をしていただけるかと思います。

いつものBBQにプラスオン
焚き火台でも

重量のある鉄板ですが、一度設置してしまえばあとは焼くだけです。お肉だけではなく海鮮や野菜、火の通りが心配な食材など、様々な食材でご利用いただければと思います。

鶏もも肉も中まで火が通りました
牛ホルモンと焼きおにぎり
海鮮もオススメです

まとめ

町工場から情報発信を行うためには、自社製品が必要でした。身近な製品を鋳物で作ることで、良さを認知してもらえるよう、アウトドア製品を作ろうと考えました。

他製品との差別化を図るため、軽量化ではなく厚みのある形状にして、鋳物鉄板の良さを最大限引き出せるような製品を作りました。

ただ、どのような製品を作っても知っていただかなければ、人々の手には届きません。別の記事では、どのような発信をしたかや、販売方法についても掲載できればと思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

IMONO PLATE
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