クラウドファンディングの体験記

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今回は、クラウドファンディングを実際に行なった経験談をご紹介します。

我々は全く無名の町工場なので、まずは作った製品をどうにか多くの人様に見ていただく必要がありました。そのためには、クラウドファンディングを活用するのも一つの手かな、ということで早速チャレンジすることを決めました。

国内のクラウドファンディングには20以上のサイトがありますが、今回はMakuake(マクアケ)というプラットフォームを利用させていただきました。

鋳物で作った鉄板を商品として設定し、実際にプロジェクトを実行しましたのでご紹介します。https://www.makuake.com/project/okadaimono/

結論

先に結論からお伝えしますと、マクアケを活用することに関してはメリットしかありませんでした。様々な観点から、やってよかったと感じております。また、プロジェクトの結果についても先に記しておきます。

Makuakeプロジェクトページ

やって良かったなと感じた理由は後述しますが、「目標達成できたから」だけではありません。

マクアケの仕組み

マクアケは、企業が掲げた新製品やサービスをサイトのユーザーが「応援購入」する仕組みです。

この仕組みには2つのパターンがあります。

  1. All in 型
  2. ALL or Nothing 型

①のAll in型は、目標金額に達成しなかった場合でも、集まった応援購入金額に応じて企業がサポーターにリターン(商品)をお届けします。マクアケへの手数料は発生します。

企業は購入された分、商品を提供する

②のAll or Nothing型は、目標金額に到達しなかった場合はプロジェクトはキャンセルになり、集まった金額は 返金され、リターンも発生しません。手数料も発生しません。

目標金額に届かなければプロジェクトは白紙になる

今回は、All in 型でプロジェクトを実行しました。

鋳物を作る型の費用は社内で投資しており、新製品は既に試作品が完成していたからです。

仮に、型の費用を調達して新製品をリターンするという場合であれば、②のAll or Nothing型で応援を募っていたと思います。

プロジェクト開始までの流れ

マクアケHPより

申込から掲載までが早くて驚きました。私の場合は申込から4週間ほどでプロジェクトが掲載されました。こちら側の作業スピード次第では、マクアケHPに記載の通り、3週間も可能だと思います。とにかくマクアケの担当者さんが超優秀で助けられました。

マクアケHPより

やると決めたらあとはさっさと申し込むだけです。申し込みをしてしまえば担当者さんが親切に、スピーディーに対応してくれます。

ちなみに、マクアケからの入金は応援金額から手数料を差し引いた額になります。つまり、プロジェクト終了まで手出しの費用は0円。新規事業のためのプラットフォームなので、筋が通っていると思いました。

申込みと打合せ

最初にやることです。

  • 申込みフォームに入力する

マクアケHPの申込フォームに会社名(個人でもOK)、担当者名、商品の内容などを入力します。相談したい具体的な内容も入力できます。

  • 担当者さんと打合せ

申込が済むと、ほどなくして担当の方からメールで連絡が入ります。数日後にweb面談を行い、商品のコンセプトや開発に至った経緯なんかのヒヤリングがあります。また、今後のスケジュールをわかりやすく説明してくれます。

  • 必要書類の提出
  • 住民票・印鑑証明書
  • 商品の仕様書
  • Makuakeの申込同意書

商品によって必要書類は多少違いがあると思いますが、書類は全てweb上で提出が可能で、わかりやすいのでとても簡単です。住民票とかも今はコンビニで取れるので本当に楽ですね。

申込から1週間程度あればここまでは問題ないですね。

プロジェクトページ作成

実際に商品の紹介ページを自分で作成します。私自身はこのような作業は完全に初心者でしたが、簡単に入力できました。

商品の写真や、文章を入力していきます。最初の入稿は、上手くできなくても骨組みだけ書いて提出すればいいと思います。web面談の中で商品内容については伝わっているので、文章の綺麗な構成などはそれほど考えなくても問題ありません。

私の場合は、素人がそこに時間をかけるよりは早くプロから意見をいただいて、修正していったほうが早いと思ったからです。

どちらかというと製品をつくっている自分にしか判断できないリターン(商品)の価格設定に時間をかけるべきだと考えました。ちなみに、マクアケの販売価格は税込表記で基本的に送料を含むものになります。また、マクアケに支払う手数料は販売価格の20%です。

私は最初の打合せから1週間後に1回目の入稿をしました。

1回目の入稿に関しては、質よりスピードが重要です

最初の入稿から数日で担当者からフィードバックがあります。トップ画像に入れる文字や、文章の言い回し、写真をもっと増やしましょう、などアドバイスをたくさんしてくれます。

また、過去の具体的な例などの情報もいただけるので非常にわかりやすいです。1週間後に2回目の入稿をしましたが、プロの意見を取り入れるだけで随分良いページに仕上がった印象です。

プロの意見を素直に取り入れましょう

2回目の入稿後は少しだけ修正が入りましたが、それほど手間をかけずにページが完成しました。写真や動画は事前にたくさん残しておくと良いと思います。

私はYouTubeを頑張ろうとしていた時期があり、写真や動画が多く残っていたため重宝しました。動画編集が大変で挫折した私ですが、まさかこんな所で役立つとは。結局、トップ画像にYouTube動画を入れました。

実際に使った動画

プロジェクト公開

ページが完成し、マクアケ内での最終審査が完了したら、いよいよプロジェクトの公開です。

公開前には、スタートダッシュの準備をする必要があります。

  • SNSでプロジェクト公開までのカウントダウンをする
  • 知り合いに告知をしておく

公開直後のスタートダッシュは非常に重要とのことで、私はTwitterで告知をしました。知り合いへの告知は今回の目的とは少し違うかなということで、スタートダッシュの準備としては行いませんでした。

いよいよ開始当日。プロジェクト開始のボタンは自分で押します。なかなか緊張しました。

マクアケ担当者からお聞きしたのですが、プロジェクト公開の時間帯はお昼休みの方が多い12時から13時、もしくは終業後の18時頃が良いそうです。マクアケへのアクセス数が多い時間帯とのことです。開始の日にちはマクアケから指定された日になります。

プロジェクト公開直後は、マクアケページの目立つところに新着案件として表示されるため、アクセスが多くなります。下記、実際の閲覧数と応援購入状況です。

プロジェクトページのアナリティクス

このデータは実行者であればいつでも確認することができます。開始直後が突出して数字が伸びています。要因は、

  • マクアケのトップページに新着として表示されるから
  • SNSで告知をしていたから
  • 数量限定で割引を行っていたから

公開初日のページ閲覧数(PV)は4,000を超えました。さすが大手プラットフォームです。個人のSNSなどで4,000人に販売ページを見ていただくのは私では不可能です。初日に販売枚数は21枚でした。これはTwitterでの告知で、販売を待って下さっていた方がいた事も要因かと思います。

2日目までの閲覧数は、販売の全期間の閲覧数の3割近くになりました。スタートダッシュが重要ということは、この数字からも見てとれます。3日目から1週間が経過するまでは1000PV前後で、それからは終了まで毎日100PV前後という結果になりました。

公開中の施策として、マクアケ経由でリスティング広告などををかけて閲覧数を伸ばす方法もあるようなのですが、当社では行いませんでした。それなりの費用もかかりますし、今回のプロジェクト自体が利益率が高くない製品なので、費用対効果が見込めませんでした。ただ、利益率が高い製品であれば広告をかけるのもありだと思います。マクアケで広告をかけることについては、閲覧者データを効率的に駆使できるのでクラファン利用の価値の1つだと思います。

プロジェクト終了後

販売期間が完了すると、マクアケより製品の発送先一覧データが送付されます。ちなみに、プロジェクト終了まではこのデータをいただくことができないので発送はできません。発送の日時や進捗については、マクアケ内の「活動レポート」で報告する義務があります。活動レポートはプロジェクト実施中も更新できるので、発送の連絡以外にも商品製造の進捗報告やメディアへの掲載実績も報告することができます。

マクアケからの入金は、プロジェクト終了月の翌々月の第3営業日です

クラファンの効果

自分でものを作り、クラウドファンディングを行うという経験は初めてでしたが、本当にやってよかったと感じています。手数料を差し引くと入金される金額は60万円ほどになります。実はこの製品を製造するための型費用に50万円近く投資しており、製品の原価を差し引くとまだまだ赤字です。型は半永久的に使えるので長い時間をかけて黒字になれば良いかなと思っています。

ただ、金銭面以外でとても大きな副産物を得ることができました。

  • 市場からの評価がわかる
  • メディアに取り上げられる
  • 文章を書く勉強になる

たくさんの方の目に晒されることで、製品への評価がわかります。商品説明のページを見た上で、購入された確率も数字で把握できます。知り合いにこの製品どう思う?と聞いた場合、ほとんどの方が良いと思う、と言ってくれると思います。でも実際に重要なのは、売っていて買うのかどうかです。リアルな結果を受けて、今後に活かすことができるのでそれだけでも価値があります。

これは想定していなかったのですが、新聞に取り上げられました。日経MJという全国誌の新製品のコーナー内で「注目の一品」として取り上げられました。もちろん広告費等を支払った掲載ではありませんhttps://www.nikkei.com/article/DGKKZO63107960S2A800C2HD2A00新聞をご覧になられた方からのお問い合わせもいただいております。これを機にメディアからの取材などもありました。初めての経験でしたので分からないことだらけでしたが、良い経験ができました。

プロジェクトページの作成は、非常に勉強になりました。マクアケ担当者の方からのアドバイスは今後、別の製品の告知をする際にも役立つと思います。自身で製作した商品でも、実際に文章にしていくのには時間もかかりますが、発見も多いことがわかりました。

広告会社からの営業電話が増えるのはデメリットですが、一時的です

まとめ

マクアケは、活用するデメリットはほぼ無いと思います。

製品が売れない限り、マクアケへの支払いは発生しませんし、申込から終了までの3ヶ月間「無料でコンサルティングを受けられる」ようなものです。その成果報酬が20%であればお釣りが出るほどの勉強やさまざまな経験が出来ました。

クラウドファンディングへの初めての挑戦でしたが、やはり大切なのは何よりも実体験だと思えるような経験が出来ました。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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