鋳物製品の製造工程

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製品ができるまで(ざっくり)

今回の記事では、鋳物製品ができるまでの工程をご紹介できればと思います。

例として、当社製品であるアウトドア用品「IMONO PLATE」の製造過程をご紹介します。

まずはざっくりとした工程です。

  1. 木型を製作する
  2. 木型をもとに砂型をつくる
  3. 砂型に溶かした鉄を流し入れる
  4. 手作業で綺麗に仕上げる
  5. 表面処理を行う

下記動画でも製造工程をご覧いただけます。

鋳物製品の製造工程

まずは型の製作

鋳物製品は、工場によって様々な製造方法がありますが、どのような方法で作るにも型が必要になります。型は、実際に作りたい製品と同じ形のものを作りますが、型の素材は様々。木やアルミ、樹脂、発泡スチロールで作る場合もあります。

今回は、ケミウッド(化学樹脂木材)を使用しました。最近は、製品の形状を3Dモデルにしてプログラムされた機械で加工することが多く、ケミウッドの使用が多くなりました。ケミウッドは加工性も良く、寸法の安定性にも優れています。

少し前までは、職人さんが自前のノミやカンナを使って手作業で行っており、合成木材もそれほど出回っていなかったと聞きます。岡田鋳物では、現在でも手作業の型屋さんにお願いすることも多いです。そのほうが効率的な場合もあるからですが、今回は割愛します。

製品図を3Dデータ化し、機械にプログラムできれば加工開始です。写真右の刃物が自転し、前後左右に動くことによって、製品形状が削り出されます。

型加工の様子

刃物には様々な種類があり、このような細かな文字まで加工することができます。

細かい文字の機械加工

数日間機械は動き続け、型が完成します。

完成した型がこちらです。製品以外(写真左)の部分は湯道(ゆみち)といい、溶かした鉄の通り道となります。プラモデルの部品も、湯道がついた状態で売られていますよね。

協力:名西テクモ様 https://www.m-tecmo.com

完成した木型

鋳物の型製作は、実際の製品となる形を木やアルミで削り出す

木型を使って砂型を作る

型が完成したら、次は鋳造(ちゅうぞう)です。鋳造とは、型に溶かした金属を流し込んでものを作ることを言います。

先ほど完成した木型を使って、鉄を流し込むための砂型を作ります。これを造型(ぞうけい)と言います。造型の方法には手作業で行うものや、機械で自動的に行うものなど工場により様々あります。

今回は、写真の自動造型機で行いました。

協力:(有)星野鋳造所様 https://www.hoshinotyuzosho.com/会社概要

抜枠式自動造型機FBOX-Ⅲ型 (有)星野鋳造所様

早速、造型機に木型をセットします。

木型を上下から挟むように、機械が砂を敷き詰めます。砂には樹脂が混ざっており、時間が経過すると固まります。

圧をかけて砂を上下から敷き詰め中

これが出来上がった砂型です。上下を合わせると、製品部分が空洞になった砂型が完成します。

造型された砂型

木型は製品と同じ形状、砂型は製品と反対の形状になります

溶かした鉄を流し込む

砂型が完成したらいよいよ鉄を流し込みます。

鋳鉄製品の原材料はほとんどが鉄スクラップです。金属製品の廃棄物や、金属製品の製造工程で生じる廃金属です。例えば、自動車部品の廃材などです。

実際に使用している鉄スクラップ

主にこれらを電気炉で溶解し、使用します。温度は1,500度以上になります。

溶解電気炉

こちらの工場では、およそ1トンの鉄を1度に溶かします。溶かされた鉄は電気炉から取鍋(とりべ)という容器に移されます。

取鍋に移される溶湯

溶湯(溶けた鉄)を取鍋に移すことで、移動させたり砂型に流し込んだりすることができるようになります。

さらに小さな取鍋に移す様子

小さな取鍋に移された溶湯を砂型へ流し込みます。

砂型に流し込まれる溶湯

砂型に入った溶湯は、数時間で自然に冷えて固まります。固まった製品部分を砂型から取り出すと、次は仕上げ工程に移ります。

真夏の鋳物工場は、灼熱の世界です

砂型から取り出される鋳物製品

仕上げ作業

砂型から鋳物を取り出すと、今度は仕上げ作業です。仕上げ前のIMONO PLATEがこちら。

仕上げ前のIMONO PLATE

湯道(溶湯の通り道)がついた状態になっています。湯道の例を挙げると、身近なものではプラモデルなんかがこれと同じです。ここからは完全に手作業で仕上げを行います。

仕上げ作業

グラインダーで湯道を切断していきます。製品部分に傷がつかないよう慎重に。切断された湯道は、もう一度電気炉で溶解し、鋳物の材料として使われます。

仕上げ作業が終わると、最後に表面処理の工程に入ります。

仕上げはどんな工場でもほとんどが手作業。重労働です。

表面処理

製品素材が完成したら、最終工程です。鋳物は表面処理をしなければ非常にサビやすいものです。湿度の高い場所に長時間置くだけでサビてしまうこともあります。表面処理の仕方には様々ありますが、多くの場合は塗料を吹き付けて乾燥炉で焼き付ける手法を取ります。

今回は、上記とは違った、塗料を使用しない表面処理方法をご紹介します。

シーズニングによる表面処理です

シーズニングとは、食用油などを使って、保護膜になる皮膜を製品表面全体に形成させることです。先に、シーズニング前と後の写真をご覧ください。

シーズニング前
シーズニング後

真っ黒になっていることがお分かりいただけるかと思いますが、実は塗料は一切使用しておりません。鋳物素材に食用油を薄く塗り、加熱したことで油が焼き付き、黒色になったのです。

大型BBQグリルでシーズニング

シーズニングにはサビの防止だけでなく、食材と鉄板をくっつきにくくする効果があります。正しくシーズニングを行なっていれば、洗剤で洗っても皮膜は剥がれませんし、使用後に何度もシーズニングを繰り返せば、より強固な皮膜を作ることができます。

シーズニングが終われば、製品の完成です。

油は薄く塗り加熱、これを数回繰り返すのがシーズニングのコツです

まとめ

今回の記事では、当社のIMONO PLATEを例に挙げ、鋳物製品の製造工程をご紹介しました。鋳物の製造といっても方法は様々。製品の大きさや用途によっても作り方は変わります。なかなか解説が難しい鋳造ですが、なんとなくざっくりとお分かりいただけましたら幸いです。

最後に、今回製作したIMONO PLATEの使用動画を掲載します。シーズニングの効果も少しだけお分かりいただけるかと思います。

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

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